Share

三十話 愛の贈り物

Author: Tubling
last update publish date: 2026-06-28 11:00:26

 馬車に揺られている間、フレド様は私を膝の上に乗せてずっと離さず、身の置き所がなくてどうすればいいか分からなかった。

 でも当の本人はそんな事お構いなくご機嫌で、鼻歌交じりだ。

 「フレド様……さすがに膝の上は恥ずかしすぎます」

 「照れてるの?」

 「違います! これではまるで子供扱いではありませんかっ」

 「違うよ。 これは君と片時も離れたくないという意思の表れだよ」

 「…………っ」

 フレド様は歯の浮くような事を言われれば私が了承すると思っているに違いない。

 実際に言い返せないのだから自分も大概かもしれないとげんなりする。

 早くオーランドルフ城に着いてほしいと願いながら馬車に揺られること3時間ほどで辺境伯領に入り、馬車はオーランドルフ城の門前でゆっくりと停車したのだった。

 「どうやら到着し
Continue to read this book for free
Scan code to download App
Locked Chapter

Latest chapter

  • 匂いフェチの変態公爵様に執着されていると思っていたら、どうやら私フェチだったようです。   三十一話 奔放な幼馴染ラザロフ・バネス

     「此度の演習には隣国バネージ王国の第二王子も視察に来る。くれぐれもご無礼のないようにな」 「第二王子が?」 朝の食事後にお父様から執務室に呼ばれ、驚きの情報を告げられる。 今回の軍事演習には第二騎士団と第三騎士団が行く事になっているので、私の隣りには第三騎士団隊長のラザロフ・バネス隊長が立っていた。 彼とは幼い頃から切磋琢磨してきた間柄だけれど、その甘いマスクで女性が寄ってくるからなのかどうにも女性関係が軽く、トラブルが絶えない。 今回の演習では女性騎士は少ないとは言え……毎回私が仲裁に入らなくてはならないので、今回もそのような事がなければいいのだけれど。 しかもバネージ王国の第二王子が来るというのだから醜態を晒さないようにラザロフを見張っておかなくては……! 私が決意を新たにしている横で、ラザロフがお父様に質問をし始めた。  「しかし団長、なぜ第二王子がいらっしゃるんです?今回はオーランドルフ辺境伯軍との軍事演習ではないですか。国と国との軍事演習ではないのに」 確かにそうだ。 バネージ王国からは正規の王国軍がやってはくるものの小隊で、それほど大きな規模ではない。 王国の王族が顔を出すほどのものとは思えないのだけれど……まさか——。 「バネージ王国は我が辺境伯軍を取り込みたいのですか?」 私の言葉に執務室には瞬時に緊張が走る。 お父様の横にいるバックバーグ副騎士団長も厳しい表情をしているので、私の言葉の通りなのだろう。 「我が辺境伯軍は国の大事な国境を守っている要でもある。そこと近付きたい国が多々あるのは確かだ……今回のように王族を送り込み、明確に意思表示してくる国はなかなかないがな」 お父様の言葉にゴクリと喉が鳴る。 恐らくお父様のもとへは多方面から様々な話が来ているのだろう。 お父様としても私が我が国の公爵に嫁ぎ、しっかりと国内で繋がりを持ってもらいたかったに違いない——。 それなのに私の意思を尊重してくれていたのだから、両親の気持ちにじんわりと胸が温かくなる。 他国に付け入られないように気を付けなくては。 「私としても自国以外に忠義を尽くす気はない。そういう意思も込めて軍事演習には私は同行せず、副騎士団長のバックバーグに行ってもらう……トップ同士が相まみえるとあらぬ疑いがかかるからな」 「団長の代理、しかと努め

  • 匂いフェチの変態公爵様に執着されていると思っていたら、どうやら私フェチだったようです。   三十話 愛の贈り物

     馬車に揺られている間、フレド様は私を膝の上に乗せてずっと離さず、身の置き所がなくてどうすればいいか分からなかった。 でも当の本人はそんな事お構いなくご機嫌で、鼻歌交じりだ。 「フレド様……さすがに膝の上は恥ずかしすぎます」 「照れてるの?」 「違います! これではまるで子供扱いではありませんかっ」 「違うよ。 これは君と片時も離れたくないという意思の表れだよ」  「…………っ」 フレド様は歯の浮くような事を言われれば私が了承すると思っているに違いない。 実際に言い返せないのだから自分も大概かもしれないとげんなりする。 早くオーランドルフ城に着いてほしいと願いながら馬車に揺られること3時間ほどで辺境伯領に入り、馬車はオーランドルフ城の門前でゆっくりと停車したのだった。 「どうやら到着したようですね」 「楽しい時間はあっという間だな……早く軍事演習の日が来てほしいよ」 「フレド様……準備などをしていたらあっという間です。 当日に会えるのを楽しみにしていますので」 少しの間離れ離れになるだけで肩を落とす彼を見て、思わずクスリと笑ってしまう。 自分のことをこれほどに愛してくれる人はフレド様しかいないわね。 私の前でだけ感情をあらわにする彼……可愛い人——。 私も同じだという気持ちを込めて、フレド様の頬にキスをした。 ちゅっ。  馬車の中に乾いた音が響く。 私が自分からする事はほとんどないので、目の前の愛する人はとても驚いて目を見開いている。 「一カ月後、城でお待ちしております」 「シャーリー……そうだ、これを君に」

  • 匂いフェチの変態公爵様に執着されていると思っていたら、どうやら私フェチだったようです。   二十九話 ※夢から覚めても一緒に

     まだ大きい……ソレを見ているだけでお腹の奥が疼いて仕方ない。  「フレドさま……」 「はぁ……シャーリー、ありがとう。 すっごく気持ち良かったよ」 「よかった」 自分が気持ちよくしてあげられた事が嬉しくて、思わず顔が緩んでしまう。 もうかれこれ三日間ずっと肌を重ね、お互いを気持ちよくし合っているけれど、まだまだ彼を求める気持ちが膨らむばかりで自分でも驚いてしまう。 ドキドキしながら立ち上がると、フレド様に腰を引かれてぴったりと肌が密着する。 「あ……っ」 「そんな可愛い顔、反則だから」 「んっ」 すぐに唇が重なり、舌がねじ込まれた。 どんな顔なのか分からないけれど、愛おしむように味わうように舌を吸い上げられ、唾液までも貪られていく。 「ふぅっ……んくっ……」  下腹部には硬くなった男根が主張するようにそそり勃ち、私に押し付けている。 もう挿入れたい……ソレがほしい……手でやわやわと触れると、ビクビクと反応し、さらに硬くなった。 そんな反応すらも愛おしい。 そのまま手で彼の熱棒を蜜口にあてがうと、秘書から卑猥な水音がしてきた。 「はぁ……フレドさま……もうほしぃ……っ」 「ごめんね、待たせて。 今あげるから」 そう言った瞬間、両足を持ち上げられ、抱きかかえられる体勢のまま彼の楔が蜜口に侵入してきた。 「ひっ、あっ、それ、だめぇぇっ」 「だめじゃないでしょ。 きもちいい、でしょ?」 「あっ、あっ、

  • 匂いフェチの変態公爵様に執着されていると思っていたら、どうやら私フェチだったようです。   二十八話 ※三日目の朝はおねだり合戦

     この別荘に来て三日目――――小鳥の鳴き声で目覚めた。 後ろから私をガッチリと抱きしめるフレド様の腕。 彼の胸板が背中に当たり、その存在に朝から胸が高鳴る。 ああ、このまま時が止まればいいのに――。 あまりにも隔絶された世界に自分とフレド様しかいないような気持ちになってくる。 もうこのまま二人だけの世界で生きようか。 そんな気持ちにさせられるから、ここは危険かもしれない。 そして朝だからか、彼の硬いモノが私の臀部に当たっていて、また知らずに下半身が疼いてきてしまう。 散々開発された体はすぐに反応してしまい、アソコが湿り気を帯びてきているのが分かって膝を擦り合わせた。 朝からなんてはしたないの……少し頭を冷やそう。 そっと彼の腕から逃れ、ベッドを降りて窓際まで移動する。 外は見渡す限り森が広がっていて、木々の合間から朝日が差し込んでいるのが美しかった。 今日は夜までに邸に帰らなくては。 一瞬寂しく感じたけれど、気持ちを振り払うように視線を下げると、後ろから愛する人の腕が私をすっぽりと包み込んだ。  「シャーリー……おはよう」 「おはようございます……起こしてしまいましたか?」 「いや、君のせいじゃないよ。 いないとすぐに目覚めてしまうから」 「フレド様……またそういう事を。 ズルいです」 「だって本当のことだから」 この人は本当にズルい。 そんな事を言われれば私が離れがたくなるのを分かっていて言っているのよね。 実際、今も胸がギュッと締め付けられ、そばにいてあげたい気持ちでいっぱいなんだもの。 それに――――。 「フレド様……」 「ん?」 「あの……お尻に&

  • 匂いフェチの変態公爵様に執着されていると思っていたら、どうやら私フェチだったようです。   二十七話 ※浴室で淫らに絡み合い

     少し振り向いて触れるだけのキスをする。 目を見開き驚いた表情の彼……そんな表情も可愛い。 思わずクスッと笑うと、顔を引き寄せられて深い口付けとなっていくのは必然だった。 体中泡や水分でまみれ、口付けしている口内は互いの唾液が入り混じり、どこもかしこも濡れながら互いの存在が溶け合っているかのようで――――このまま一つになってしまえたらいいのに。 拙い舌使いで彼の唾液を貪る。 「んっ、んんっ……ふぁ……」 やがて彼の腰が律動を始め、私の中の気持ちいい箇所を的確に刺激し始める。 ゆっくりと味わうような動きにもどかしさが募る。 もっと強い刺激が欲しくて、襞が彼の熱に絡みついて――もっと、もっととおねだりしているかのようだった。 「シャーリー……ッ、そんなに締め付けたら、すぐにイってしまう……」 「ごめんなさ……ぃ……っ、だって……っ」 「煽った君が悪いんだからね」 フレド様は私の腰をガッチリと掴み、すぐに律動は激しさを増し、浴室内にパンッパンッと腰を打ち付ける音が響き渡る。   「ああっ、あんっ、あっ、きもち……いぃっ!」 「シャーリーッ……君の中が熱くて……もっていかれそうだっ」 「はっ、あっ、もう、イクッ……イっちゃ…………~~~っ!!」 あっという間に快感の渦に呑まれ、目の前が弾けてしまう。 同時に彼も果てたのか、中がじんわり温かくなっていった。 もうずっと気持ちいいが続いていて、どれだけ体を重ねても足

  • 匂いフェチの変態公爵様に執着されていると思っていたら、どうやら私フェチだったようです。   二十六話 ※あいしています

     カーテンを閉め切っているせいもあり、ふと目覚めたけれど、今が何時なのかが分からない。 けれど体はぐったりと疲れ切っていて、起き上がる事が出来ずにいた。 昨夜は散々彼の好きなように抱かれ、腕には縛られた跡が薄っすら残っている。 独占欲の証だと言わんばかりに。 それを見てキュンとしてしまうのだから、私もたいがいだと呆れてしまう。 隣では瞳と同じアイスブルーの長い髪がサラリと揺れ、穏やかな寝息を立てながら最愛の人が眠っていた。 フレド様も疲れているわよね……あんな激しく……激しく求められて―――― 思い出しただけで体が熱くなってしまう。 私の体はどうしてしまったのだろう。 フレド様を知る前はこんなに熱を持ち、疼く事もなかったのに。 昨夜、あれほど抱かれたのに、もう恋しくなっている。 こんなだらしなく淫らな女だと思われたくない。煩悩を振り切るように彼の腕からスルリと抜け、ベトベトした体を洗い流そうとベッドから下りた。 足音を立てずに歩いていたはずなのに、後ろから声が聞こえてくる。 「シャーリー、どこへ行くつもり?」 「フレド様!お目覚めでしたか、おはようございます。少し飲み物を飲みに……」 お風呂まで一緒に入ると言われそうで、本当の事を言えずに咄嗟に嘘を付いてしまう。 さすがに一緒に入るのは恥ずかしすぎるわ。 でもしっかりとフレド様に見透かされ、一緒に浴室へと向かう事となったのだった。 ~・~・~・~・~・~ 「君の体を洗う事が出来るなんて幸せだな」 「私は物凄く恥ずかしいです……!」 「あれほど深く愛し合ったのに、まだ恥ずかしがるの?」 「そういう問題じゃありません!恋人に体を洗われるというのは……ッ」 泡を体にぬりな

More Chapters
Explore and read good novels for free
Free access to a vast number of good novels on GoodNovel app. Download the books you like and read anywhere & anytime.
Read books for free on the app
SCAN CODE TO READ ON APP
DMCA.com Protection Status